今年15冊目。おススメ度★★★☆☆
結論:カリスマ予備校英語講師初の勉強本
安河内哲也氏と言えば、英語の勉強をしようと思って書店に行ったことのある人なら、学生・社会人の別を問わず一度はその名前を目にしたことがあるでしょう。私もTOEIC対策の本でお世話になりました。
本書は、語学書・学習参考書を中心に著作数60冊を超える著者が、20年以上かけて開発してきた超効率的な時間対効果の勉強法をまとめたもので一般読者向けには初出版となるもの。
高校時代クラス44人中42番という成績だった著者ですが、身につけた勉強法により上智大学外国語学部、慶応大学文学部に合格。以降、TOEIC満点、英検1級、通訳案内士免許など英語難関資格を次々と取得しています。
本書の冒頭では、「勉強できるのはクールなのです。カッコいいのです。」「勉強=恥ずかしい、という思いを捨ててほしい、と心構えを強調したうえで、本文で数々の具体的な「やり方」を披露しています。
主なものとしては、
勉強は、長時間やるよりも、密度を濃くすることを目標にせよ!
科目・テーマにかかわらず、テキストや参考書はかならず2〜3回音読する!
「早起き・朝食・排便」を習慣にせよ!
勉強時間のメインは「訓練と暗記」。ノート作りは無駄な「作業」、「勉強」ではない
何のためにやっているか、いつも意識する
ガツンと一気にやって、ちょこっと休む
「最初は浅く、反復しながら深く」のスパイラル方式で暗記する
1分野につき1冊だけ残して、残りの参考書は捨てる
自分の知らないことは小学生向けの読み物で学ぶ
問題集はドンドン書き込んで使い捨てる など
私は読む量もそこそこ多いですが、常時かなりの「積ん読」(特に英語関係)状態となっており、「1分野1冊で十分」との著者の主張に、グサッときました。
なお、順番が前後しますが、第1章(「最初の一歩」をどうやって踏み出すか)で、著者は日常生活で「off the beaten track」という習慣を身につけることで新しい世界が見つかると述べています。
「beaten track」とは「踏み固められた通り道」という意味。例えば、「毎日家を出て電車に乗って会社に行き、会社が終われば飲み屋で同僚と上司の悪口に花を咲かせ、電車に揺られ家路につく」という生活のことを指します。
新しい「何か」と出会おうと思うなら、この「道」から出ること、そうすることで、これまで「いつか〜をやってみたい」と思いながら実際には出来なかったことが実現する、との主張です。
この様に単なる勉強法としてだけでなく、「よい習慣」を身につけるために有益なアイデアやコツが詰まっていますので、皆さんもぜひご一読ください。